もくもくさんが墨つけをしています。
今はプレカットと言って、木材を加工してくれるところがあります。
速く大量にしてくれるので、
工期を縮めたり、職人の手を借りなくてできるので、
ご予算にも影響が大きいと思います。
そんな訳で、もくもくさんが工場で墨つけをする機会も減っています。
でも、大工の醍醐味って、↑こういう姿かなって。
墨つぼ持って、墨のついた糸をパンッとはじく姿なんか、
かっこいいの。
墨つけをした家って言うのは、
とまとが思うには、『天然酵母のパン』です。
今はスーパーで普通に買う『菓子パン』も、大量生産できるし、
いろんな種類があって、それはそれで美味しいんだけど、
もくもくさんなんかが、手作りで作ってる家っていうのは、
『手づくりパン』と一緒だなって思う。
その中でも、プレカットで作ったのは、
『ドライイーストで発酵させたパン』。
墨つけをして、一本一本の木を職人が丹精込めて作っていく家は、
『天然酵母のパン』だと思います。
天然酵母で焼いたパンって、食べたことありますか?
こういうのはパン屋さんでわざわざ買わないと、なかなか出会えないかもしれません。
私は友達が自分で作った酵母で焼いてくれたパンを食べたことがあります。
その美味しいこと。
美味しさっていうのかな、その味の深み。
温かさ・・・まで感じちゃったんです。
「ああ、これって本物のパンだな。」って思ったのです。
酵母を作る元の材料の香りがなんとなく残ってるんです。
香りが伴う記憶って、長く覚えているんですって。
だから、私の頭の中のどこかに、
そのパンを食べた時の、美味しさや、味わい深さや、
とても幸せな気持ちがまだ残っています。
「家」って、作るときだけじゃなくて、そこにずっと暮らし続けるものですよね。
だから、やぱり本当は丹精込めて、本物を作りたいな・・・って思います。
ずーっと昔から伝わる、墨つけという技術を引継いでいくためにも・・・。